呉服屋

「着物を買って後悔する人と買わなくて後悔する人とは?|失敗しない着物選びを呉服屋が本音で解説【福岡】」

着物選びで一番多いご相談があります。

「買って後悔したくないんです。」

そのお気持ち、本当に、本当によく分かります。

着物は決して安い買い物ではありません。洋服のように「ワンシーズン着て終わり」ではなく、10年、20年、時には親子三代にわたって受け継がれることもあります。

だからこそ、慎重になるのは当然です。

しかし、福岡で呉服屋を営み、多くのお客様のお手伝いをしていると感じるのは、

「買って後悔する人」と同じくらい、「買わなくて後悔する人」も非常に多いということです。

今回は、実際によくある後悔を、呉服屋の立場から本音でお話しします。


着物を買って後悔する人の4つのパターン

買って後悔する理由は、着物そのものが悪かったわけではありません。

「焦って決めてしまった。」
「無理をしてしまった。」

そんな購入時の判断が原因になっていることがほとんどです。


① お支払いが生活の負担になってしまった

「せっかくなら少し無理をしてでも。」

そんな気持ちで予算以上の買い物をした結果、毎月のお支払いが生活の負担になってしまうことがあります。

せっかく憧れていた着物なのに、

タンスを見るたびに

「支払いがまだ残っている…。」

と思ってしまえば、心から楽しむことはできません。

着物は人生を豊かにするもの。

生活を苦しくしてまで手に入れるものではありません。


② 本当に欲しい一枚と出会った時に買えなかった

着物との出会いは、一度きりではありません。

知識が増え、自分の好みが分かってきた頃に、

「これこそ欲しかった。」

と思える運命の一枚に出会うことがあります。

しかし、以前の買い物で予算を使ってしまっていると、その一枚を諦めることになります。

「あの時、焦って買わなければよかった。」

という後悔は意外と深く残ります。


③ 自分のライフスタイルに合わない着物を選んでしまった

「せっかく買うなら一番良いものを。」

その気持ちで礼装用の訪問着を購入したものの、

実際には結婚式や式典へ行く機会がほとんどなく、一度も袖を通さなかったというケースもあります。

本当は、

「ランチや観劇へ気軽に着て行きたい。」

という方なら、紬や小紋の方が活躍するかもしれません。

着物は価格よりも、

自分の暮らしに合っているか。

それがとても大切です。


④ お手入れや保管まで考えていなかった

着物は買って終わりではありません。

着た後の丸洗いやシミ抜き、保管方法なども大切です。

そのことを考えず購入すると、

「汚すのが怖くて着られない。」

「気付いたら何年もタンスに入れっぱなしだった。」

という後悔につながることがあります。

購入するときは買った後まで相談できるお店かどうかも重要です。


着物を買わなくて後悔する人の4つのパターン

実は、こちらの後悔の方が何年も続くことがあります。


① 思い出補正で「もっと良かった」と感じてしまう

人の記憶は不思議です。

買わなかった着物ほど、時間が経つにつれて美しく記憶の中に残ります。

後から似たような作品を見ても、

「あの時見た方がもっと良かった気がする。」

「色も柄も、あれ以上はない。」

そう思えてしまいます。

実際に同じような作品をご覧いただいても、

「やっぱり前の方が良かった。」

とおっしゃるお客様は少なくありません。

人は手に入らなかったものを、実際以上に魅力的だったと感じることがあります。

そして、その一枚をまるで亡霊のように何年も探し続ける方もいらっしゃいます。

特に伝統工芸品や作家物は、一点一点表情が異なります。

同じものに再び出会えることは、ほとんどありません。


② 必要になってから探すと時間も選択肢もない

結婚式。

お子様の入学式や卒業式。

お茶会。

そんな予定が決まり、

「やっぱり一枚必要だった。」

と思って探し始める方も多くいらっしゃいます。

しかし着物は、

反物を選び、

寸法を測り、

仕立てるまで通常1〜2か月ほどかかります。

時間がないと、

本来なら何十枚も見比べられたはずなのに、

「今あるものから選ぶしかない。」

という状況になってしまいます。

余裕を持って選ぶことが、後悔しない一番の近道です。


③ あの時なら買えた価格で、もう買えなくなっていた

現在、着物業界では職人の高齢化や原材料費の高騰により、

同じ品質の着物でも年々価格が上がっています。

「数年後に買おう。」

そう思っていたら、

当時より何十万円も高くなっていた。

あるいは、

生産終了で手に入らなくなっていた。

そんなことも珍しくありません。


④ 着物を楽しめる時間そのものを失ってしまった

「いつか着よう。」

そう思っているうちに、

5年、10年と時間が過ぎてしまいます。

もしその間に着物を持っていたら、

旅行へ着て行けたかもしれない。

お子様との写真を残せたかもしれない。

季節を楽しめたかもしれない。

あとになって、

「もっと早く始めればよかった。」

というお声も本当に多くいただきます。


後悔しない着物選びのために大切なこと

買って後悔する人。

買わなくて後悔する人。

その違いは、

「納得して決断したかどうか。」

これだけだと思います。

焦る必要もありません。

無理をする必要もありません。

しかし、

必要になる直前に慌てるのでもなく、

一人で悩み続けるのでもなく、

早めに相談することで、選択肢は大きく広がります。


私たちが一番避けたいのは「後悔して買うこと」

この記事を読んで、

「だから今すぐ買わなきゃ。」

と思っていただきたいわけではありません。

私たちが一番避けたいのは、

後悔して買うこと。

生活に負担が出るようなお買い物はおすすめしません。

本当に必要ないのであれば、

「今回は見送りましょう。」

とお伝えすることもあります。

一方で、

「もっと早く相談しておけばよかった。」

という後悔も減らしたい。

その想いで、日々お客様と向き合っています。


福岡・呉服の横尾では

当店では、着物を販売することだけが目的ではありません。

お客様の暮らしや着用のご予定、ご予算をお聞きしながら、

「今、本当に必要な一枚なのか。」

を一緒に考えることを大切にしています。

見るだけでも。

相談だけでも。

もちろん大歓迎です。

着物を買って後悔する人も、買わなくて後悔する人も見てきたからこそ、

あなたには、後悔のない一枚と出会っていただきたい

そのお手伝いができれば嬉しく思います。

関連記事

PAGE TOP
目次